庭の持つ力


造園用語に「気勢(きせい)」という言葉があります。字の通り、「庭の持つ勢いの方向」と言う意味で使われます。私たちは庭を造る時、その庭の持つべき力とか、周辺環境に合わせた勢いとかを気にします。

Kisei 例えば、石にも木目のように「節理」と呼ばれる目があります。これを見極められないと、高価な石を据えたとしても、庭の中で不安定な浮いた存在になってしまいます。植木にも表と裏の顔があります。これが見極められないとせっかくのカッコイイ植木も台無しで、庭にまとまりが無くなります。なかなか、深い職人の世界ですよね。

意識して見ていただくと、にわか植木屋が何となく造った庭と本物の職人が造った庭の差が歴然と分かるようになりますので、お試しください。

写真はあるリゾートホテルの庭を7階から撮影したものです。海に近いため植木が一定の方角(写真奥から手前)を向いていることが分かります。自然が作り出す気勢です。