ちょっとした気づかい


「ちょっとした気づかい」・・・第三者から見れば、本当にちょっとしたことなのですが、当事者間においては、大きな結果を招きかねないこと。社会生活のいろいろな場面でたくさんありますよね。しかも、その大半は“後の祭”という結果で知らされることになります。

今回は、私たちにとっても反面教師として、一つの事例写真です。

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これは、都内のあるマンションに植えられたサクラの木。メインエントランスに左右一対で植えられています。

サクラは本来、自由奔放に枝を伸ばして生長する樹木です。また、切ったところから腐朽菌が入りやすく、剪定を嫌う樹木でもあります。

きっと、このマンションのパンフレットにはアプローチにサクラが咲く美しいコマーシャルCGが掲載されていたことでしょう。

でも現実は、向かって右隣の敷地に越境しないように片方の枝が容赦なく切られています。また、電線にかかることを避けるため、上部の枝も切られています。今後、このサクラは早急に大きく育つため、更にバランスの乱れた樹形を呈することになります。残念ですね。

多くの方が良い印象をもつサクラの木でエントランスを飾る、その設計の意図は誰もが分かりますが、もう少し植える位置が内側で奥にあったら効果が発揮できたのに・・・と思います。いっそのこと、別の樹種を植えたほうが本来の樹形を守ることができて美しい景観になったことでしょう。

計画する人、現場を監理する人、植える人、誰か一人にちょっとした気づかいがあれば良かった。というお話しなのですが、これは、“気づかい”というよりも、仕事に対する姿勢や力量の問題かな?

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