きざしの庭(最高賞受賞御礼)


きざしの庭 Breath in garden -Contemporary ZEN style-

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水は、地球上のあらゆる生命・活力の源です。

乾燥地域でも比較的育ちやすいオリーブですが、この庭で、悠久の時を湛える水のイメージに誘われ、老木に800回目の芽吹きを迎えています。

オリーブの枝は、平和の象徴とされています。

樹齢800年(採取地フィレンツェでの伝承)を超える樹木の生命力は、不安な経済状況、悪化する地球環境、遠い場所での紛争問題など、現代社会のニュースに落ち込みがちな人々の心に“希望の兆し”を与えてくれます。

また、座禅石は、そこに座る人と先に繋がる世界観を一体化します。

庭に対峙して心落ち着け、今日の歓びに感謝し、明日への英気を養う上で最適なアイテムだと考えて据えました。

敷地の外に立って庭を眺めた方は、ぜひ一度、デッキに上り、座禅石に座ってみてください。このミニマル化された庭の異なる景色に出会えます。

作為では表現できない「間」を重んじ、目に見えぬものに意味を見出すのが日本庭園です。

この美意識は、今を生きる私たちの心にも深く根差しており、皆さんも、その技術が現在の生活様式に落とし込まれることを望んでいるはずです。

このような、我が国固有の庭文化や思想背景を若い世代や世界の国々へ発信するため、コンテンポラリーで楽しいガーデンデザインの姿を借りた現代版禅庭、それが「きざしの庭」なのです。

この庭を見てくださる全ての人々に、“何か大切なきざし”が芽吹くことを祈念しています。

“きざし”いつか分からない未来ではなく、手の届く将来への期待が溢れる素晴らしい言葉だと思います。

このたびは、東京インターナショナルフラワー&ガーデンショーにて、ベスト・オブ・ザ・ショー・ガーデンの栄誉を賜り、本当にありがとうございました。

上記の文章は、今回出展の庭のコンセプトです。残念ながら会場でご覧いただけなかった方々のために、紹介させていただきました。

小杉造園ホームページはこちらから http://kosugi-zohen.co.jp