つりしのぶ


皆さんはシノブという植物をご存じでしょうか?シノブは山地の岩や木に着生するシダの仲間です。
丸く固めた芯材に、シノブの根を這わせたものをシノブ玉と言い、その涼しげな様子から、昔の人は軒下に吊るして(つりしのぶ)夏の涼をとりました。

ツリシノブ
古くから夏の風物詩として親しまれており、「つりしのぶ」は夏の季語にもなっています。
このシノブ玉には、同じく森林に自生する、着生植物のセッコクというラン科の植物をつけることがあります。

セッコクの花
5月のはじめ、当社の社員が作った「つりしのぶ」のセッコクが花を咲かせました。顔を近づけると、生成り色の控え目な姿からは想像できないような華やかな香りがします。
元気いっぱいの明るい夏の草花も良いですが、しっとりとした森陰を切り取ったようなシノブ玉からは、深山の風情が感じられます。
材料さえあればお家でも作れるので、興味のある方は今夏ぜひ試してみてください。