植栽管理と生物多様性について

先日、都市の植物の種多様性に関する講習に参加してきました。

私たちが暮らす都市において、緑の豊かさの指標とは何でしょうか。

これまでは緑地面積や樹木の本数を指標として取り上げられてきましたが、今後は生物多様性を含めた質の向上が課題になってくるとのことでした。

土地本来の種の多様性を考える場合、在来種の保護が重要になってきます。

私たち造園業者は、常に変化する人の住環境の中で、古きを大切に考えるものの、新しい樹種を取り入れ、新たな発想、新たな可能性を模索しているところもありますので、生物多様性の保護の部分では、一部において交わらないということも考えられます。

これは、環境を取り扱う業種では永遠のテーマと言えると思いますが、「人々の快適な住環境の保全」と「自然環境の保全」は、相互に重なる問題が混在してあります。それらの重なる問題点を少しでも減らしていくためにはどうしたらいいでしょうか。

都市の環境とは異なりますが、例えば中山間地域では里山の保全が重要な課題となっています。

里山には人の管理を前提とした生態系が出来上がっていますが、後継者不足のために荒廃が進んでいるそうです。本来の里山の姿は種多様性が保持され、人と自然が調和した、理想的な環境モデルのひとつと考えられます。ここで言えることは、人の手が入ることは必ずしも種多様性の破壊につながるわけではないということです。これは植栽の管理を考える上で重要なヒントになると思います。

実は、草刈を定期的に行う草地では多様な在来種の群落ができるとのことです。定期的な実施とは同じパターンの繰り返しとなるため、生態系の攪乱を防ぎます。私たち造園業者が普段行っている植栽管理でも、適切に行うことで生物多様性の保持に資するということではないでしょうか。草刈

まだはっきりとした結論は出ないのですが、今後の植栽管理を考える上で、常に意識しておきたいテーマだと思いました。

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください