先日、ど根性ケヤキ(http://kosugi-zohen.no-blog.jp/topics/2009/09/post_4b1d.html)を紹介しましたが、今日はど根性サクラです。
こちらは「ど根性」というよりも、「どうしようもなくて、こんなになっちゃった・・・」という感じでしょうか。日本の街路樹のあちこちで見かける光景です。
多分この状況は、誰もハッピーにならないとみんなが思っているでしょう。でも、何十年もの間、そう思われていても解決できていない事柄です。
樹木にとっては窮屈この上ない、舗装が持ち上がって景観上みっともない、台風で倒木するかもしれない、自転車や歩行者が躓いて怪我をする可能性もある、管理者も責任を問われてしまう・・・だったら根本から解決した方がいいのに、どうして誰も解決しようとしないの?と事情を知らない素人は誰でもそう思う(のではないでしょうか)。
新しく作られる歩道でも狭い植桝やツリーサークルに高木が植えられつづけています。たぶん、設計基準みたいなもので、「そう作りなさい」と決められているのでしょう。歩道の狭い日本では仕方ないことかもしれませんが、もう少し臨機応変にできないものかと思ってしまいますね。
造園資材メーカーなどは、根が蔓延らないようにガードする商品を開発しています。舗装を持ち上げ難くなる効果があるでしょうが、樹木にとっての解決にはなりません。
う~ん、どうしたらいいのでしょうか?アイデアをお持ちの方は、ぜひコメントください。
小杉造園ホームページはこちらから http://kosugi-zohen.co.jp
ブログ管理者様
初めまして、庭屋と申します。
確かに今後誰もハッピーにならない状況が窺い知れますね。
サルノコシカケの様な寄生茸が見られますのでかなり瀕死に近い状況だと推測されます。
考えられる解決策としては、近隣住民の方が関係官庁へ対する陳情(場合によっては署名活動も要か)で既存樹を別の必要スペースが確保出来る場所へ移植し、代替樹に変えて頂く事が考えられます。但し発起人が誰になるかが難しいところではありますが…。
問題なのはこの様な状況になってしまう事が予測出来ず(出来た?!)に”緑を増やす”をお題目に”植えろや植えろ”で行ってきた都市計画、公共植栽事業の当時の構造体質に原因と責任があると考えています。
当然そこには実際に植栽施工に携わる(大部分大手の)造園業者の存在があった訳です。
過去の反省を含め、何十年もの間放置手付かずのこういった事例についても過去、現在また、公共に携わっているいないに関わらず我々も声を挙げていく義務があるものと感じています。
庭屋さん、コメントありがとうございます。
「瀕死の状態」ですか、寂しいですね。私は通りかかっただけの通りですが、近所の方々に長年親しまれているサクラ並木であろうことが窺い知れました。
私たちは、専門家としての考えを真摯にお伝えし、素人であるお客さんに植木の生理までご理解いただけるよう、必要があれば設計変更できるように心掛けています。
民間案件では、随分こちらの意見を汲んでいただけるようになりましたが、公共事業はまだまだハードルが高いですね。
おっしゃるとおり、緑の恩恵を受ける住民の方々を中心に「もっと質の良い緑を」と声をあげられるようになるといいですね。